最近は鮭の絵ばかり描いています。
10月12日から17日、ギャラリー犬養にて「カミシバイズム 札幌紙芝居展」が開催されます。そこに出させてもらう紙芝居作品の制作中です。
原画はほぼ完成したので、あとはスキャン作業と印刷、キャプション作成、展示計画…おお…まだやることいっぱいある(T T;)
タイトルは「カムイチェプの旅」です。
産卵後の鮭の屍体=ホッチャレの美しさに魅せられてしまいました。
気合入りすぎて顔が怖くなってしまう…。笑
長旅の末ボロボロになった鮭の姿にどうしてここまで惹かれるのか。
鮭愛は今年の5月に始まりました。
GW中に飛行機で見た機内誌「翼の王国 5月号」に掲載されていた
知床の鮭の遡上を特集した記事がきっかけでした。
カムイチェプは鮭のこと。アイヌ語で「神の魚」という意味です。
その中の1枚の写真を見て「おおお…おおおーー!!!!!!」
と感激してしまったんです。それがこちら↓
なんて美しいんだろう…!!
いろいろなホッチャレの写真を見ましたが、これが一番です。
合わせて大きく書かれたコピーがまた素晴らしく良いのです。引用します。
毎年同じ川に帰ってくる鮭のおかげで、人間は北の大地に定住することができた。
鮭は確実にアイヌの人々の暮らしを支えただろう。
海の恵みを、川を通じて、森へと届けるもの。
人だけではない。知床一帯は、世界で最もヒグマの密度が高いエリア。
神は動物の数に合わせて、”カムイチェプ”を送ってくれると、アイヌの人々は考えているという。
自然とのバランスの中で生きることを知っていた。
海の色を纏った銀色の魚体が、川を上って、森の色になる。鮭はやはり、今も特別な魚だ。
写真家とライターの方にファンレター送ろうかと思ったほどでした。
鮭は大きく分けて3段階、身体の色が変化します。
生まれたばかりの鮭は緑がかった身体にパーマークと呼ばれる模様があります。
海に渡る頃に模様は消えてきれいな銀色の身体になります(スモルト化)。
そして川に帰ってくるころ、赤や緑の模様が現れ(ベニザケという種のオスは全身真っ赤になります!)これを婚姻色と呼びます。
コピーにもある通り、海の色から森の色に還るんですね。
なぜ生まれた川に帰ってこれるのかというのは、諸説あるのですが、
鮭は生まれ故郷である川のにおいを覚えていて、
海に流れてくる真水のにおいを頼りに帰ってくるそうですよ。
さらに、鮭のうろこは拡大すると、ひとつひとつに
木のように年輪が刻まれているんです!これで鮭の年齢がわかります。
なんてファンタジックな生き物なんだと思いませんか?!
鮭は山の生き物だという証です。
人だけでなく山の動物にとっても、鮭は厳しい冬を越すための大切な食料です。
アイヌ民話にも度々登場します。
こんなに物語を含んだ生き物ってほかにいないんじゃなかろうか!
と感動した私はそれ以降鮭についての勉強に時間を費やしました。
そして一旦の集大成として今回の紙芝居に想いを込めた次第です。
短い期間の展示ですが、ぜひ遊びに来てください!
土日は時間によりますが在廊予定です。 土曜の夕方からパーティもあります。
DMも担当しました(^^)まちで見かけたら手に取ってみてください♪
『カミシバイズム 札幌・紙芝居展2016』
10/12(水)〜10/17(月) 6日間
13時〜22時 会場:ギャラリー犬養
≪参加作家≫
及川鑑治(クレパス画家)
大橋菜々(グラフィックデザイナー)
紅露はるか(日本画家)
村上恵実(日本画家・ひつじ作家)
やまだめい (イラストレーター)
やこしんじぬりなおこ[八子晉嗣(彫刻家),八子直子
【紙芝居実演】
4組の紙芝居師による実演イベントを行います。
■10月12日(水) 14:00~15:00
・紙芝居とアコーディオン「平島哲治&田村賢太郎」
(楽しかったきもちの分だけいただく投げ銭制)
■10月14日(金) 19:00~20:00
・カミシバイズム2016開催記念公演「三橋とら」東京から参戦!
(おとな1,000円、こども無料)
■10月15日(土) 開催記念パーティー
・第1部 16:00~17:00 昭和の紙芝居師「切越陽一 実演&トーク」
(おとな1,000円、こども無料)
・第2部 17:00~19:00 メンバーによる新作紙芝居実演&トーク
(参加無料)
■10月17日(月)14:00~15:00
・北海道のニューウェーブ「三田けんじ」
(楽しかったきもちの分だけいただく投げ銭制)
イベントのない日も毎日15:00~17:00に紙芝居
(参加無料)
【せいさくコーナー】
簡単豆紙芝居キットで小さな紙芝居が作れます。
3種類の中から好きなものを選んで制作チャレンジ!
その場で作っても持ち帰って家で作ってもOK
(参加費500円)