衣食住にまつわるコンテンツのデザイン傾向を6種類に分類してみた
仕事の合間に考えてたらどんどん楽しくなってきちゃって、
まとめてみた。
ここで言う「衣食住にまつわるコンテンツ」とは
大量生産・大量消費から離れ、
良質なものを選び、日々を丁寧に暮らす
ことを心がける人たちのためのコンテンツを指します。
注)
独断と偏見混じりまくりです。
衣食住にまつわるコンテンツについて、キーワードを書き出して分類していくと、6つに分類できました。名付けて服部みれい系/北欧系/無印系/弥太郎系/DIY系/D&D系。
デザインの方向性を決める際にこうやってキーワードの書き出しをします。
求めるターゲットに好まれるデザインを探したり、
逆に今までのイメージから脱却した、あたらしい要素を見つけるために使います。
マトリクスに表すとこんな感じ。
順番に解説します。
服部みれい系
服部みれいさんは「murmur magazine」の編集長さんです。
著書に「SELF CLEANING BOOK - あたらしい自分になる本」などがあります。
◯ターゲットはこんな人
自分の身体と心に向き合い、自然に近い形で健康に暮らすことを好む人
キーワード
ハッピー/女性向け/明るい/ヘルシー/自然に近い生活
▲mm books
◯デザインの特徴
特徴としては手書き文字、丸ゴシック、パステルカラーが多いこと。
女性的であたたかい印象を持ちます。
▲冷えとり用品を扱う「くらしきぬ」
▲90%自然素材をうたうボタニカルシャンプー「BOTANIST」
◯向かう方向性
・ハッピーでヘルシーなイメージを持たせたい。
・ただオシャレだったり美味しいから選ぶんじゃなく、源にある思想を大事にしていきたい。
・扱うコンテンツを通して生活をより良い方向に変えていってほしい。
・同じ考えを持つ人たちのプラットフォームにしてほしい。
こちらのデザインに傾きすぎると、熱心なファンがつく一方ちょっとめんどくさい人も引き寄せてしまう恐れがあるので注意です。
北欧系
その名の通り北欧雑貨や
そのまわりの暮らしをメインにしたコンテンツのためのデザインです。
◯ターゲットはこんな人
お気に入りのものだけに囲まれて暮らすことを好む人
キーワード
道具愛、雑貨愛/おしゃれ/ずっと使える/あこがれの生活
▲もはや北欧雑貨好きで知らない人はいない「北欧、暮らしの道具店」
◯デザインの特徴
基本モノトーンでシンプルなデザインですが差し色にビビットカラーを使ったり
手書きの線やイラストを交えて抜け感をつくったり、心地のいい空気を感じます。
▲「フェリシモ」は北欧好きに受けるデザイン
とりあえず何でも白い壁バック&木目のテーブルに置いてブツ撮り。笑
◯向かう方向性
・文字情報よりもイメージ重視でやっていきたい。
・映画で見た風景、インスタで見た写真、店先で見たショーケース…そんな憧れを叶えてあげたい。
・好きなブランドに関わる生活をしていきたい。
モノに執着がある、というよりはあこがれのブランドのものに囲まれて暮らしたい、みたいな雰囲気を感じます。思想的な要素が強いコンテンツであれば、北欧系のデザインをミックスしてあげるとちょっとマイルドになっていい感じに。
無印系
衣食住のバランスが良く、ライト層にも受けるコンテンツは無印が最強だな〜と思います。暮らしに溶け込むデザインでありながら、こだわりを感じさせるのが良いところ。
◯ターゲットはこんな人
選別されたものを使って、シンプルに暮らすことを好む人
キーワード
安心感/気取らない/ライト層/研究と改良/グローバル
▲無印良品 公式ページ
◯デザインの特徴
フォントは太ゴシック、もしくは太めの明朝体。
モノトーンをベースにベージュや赤など暖色系も多いです。
しっかりしてるけれど親しみやすい。安心できる印象です。
▲ナチュラルコスメは無印系にあてはまるものが多い。成分開示命。
◯向かう方向性
・商品を売りたい。
・良い素材を使っていることや、製造法について詳しく知ってほしい。
・オープンな雰囲気で、日常的に気取らず利用してほしい。
余計な装飾などは好まず、暮らしに便利なものを柔軟に取り入れて生活できる人向け。成分表示バーっとラベルに書いてるようなデザインのものは無印系だと思っている。誇張した表現は無いですよ〜ありのままで良い商品ですよ〜という感じ。
弥太郎系
「暮しの手帖」前編集長の松浦弥太郎氏。「暮らしの神」と言っても過言ではない。
そんな松浦弥太郎氏に憧れる人たちが好きそうなデザイン。
◯ターゲットはこんな人
受け継がれた暮らしの知恵を使って、慎ましく暮らすことを好む人
キーワード
わびさび/慎ましい生活/手本、基本/手づくり/オーガニック
▲「くらしのきほん」は弥太郎様のありがたいお言葉が日替わりで更新される。 毎日見てます。
◯デザインの特徴
明朝体をベースにしているところが多い。
色は白、ベージュ、紺、自然色。「わびさび」が重要なキーワードです。
自然光の光で撮られた写真や、ひらがな、オノマトペが多い文章が特徴。
決してハッピーオーラ全開ではいけない。慎ましさ命。
▲パンと日用品の店「わざわざ」写真がおしゃれ。
◯向かう方向性
・老若男女どなたでも親しみやすいコンテンツにしたい。
・焦燥から離れ、日々を大切に暮らしてほしい。
・「みんなのお家」のような雰囲気を目指したい。
・お手本となるライフスタイルを提示していきたい。
好感の持てる良いデザインですが、どっぷり浸かりすぎると弥太郎もどきになっちゃうので注意しましょう。
DIY系
最近増えて来たデザイン。
良い例ががぱっと見つかりませんでした。もっと増えると思う。
◯ターゲットはこんな人
心地よい生活を探求し、自分たちでつくって暮らすことを好む人
それは家具や製品だけでなく、エネルギーや食べ物、人間関係にも及びます。
キーワード
自分で作る(衣食住)/アウトドア/業務用/家庭菜園/エネルギー
▲アウトドア用品の「LOGOS」
◯デザインの特徴
チョークアートのようなタイトル文字、そして太めのライン。
グランジが似合う。
ヴィンテージ感を感じますが、あくまで軽やか。
▲元祖的存在の「popeye」
▲カインズのDIY特集「kunimoku」
◯向かう方向性
・自然と向き合う生活も、都会の便利な生活も、両方バランス良く暮らしていきたい。
・アクティブなイメージをもたせたい。
・若い人からの支持がほしい。
・枠にはまらずフットワークが軽い人たちのそばにいたい。
わりと北海道のものと相性がいいように感じます。スキがあれば取り入れたい。
D&D系
各地方に拠点を置いて、地元の良いものをピックアップ&販売する「D&Department」から名前をとりました。
◯ターゲットはこんな人
隠れた名品や馴染みのものを大切にし、自分の世界をつくることを好む人
キーワード
地域デザイン/伝統/男性的/日本工芸/つくり手の思い
▲「D&Depertment」公式ページ
◯デザインの特徴
ゴシック体と明朝体、バランスよく使われているイメージです。
色は日本をイメージさせる白、黒、赤。+ベージュなどのベースカラーが使われることも。
どっしり安定した印象をもたせます。
▲日本のものづくりを発信する「real japan project」インタビューページはイカツイおじさんだらけ。
◯向かう方向性
・作り手の思いを伝えていきたい。
・日本に古くからある良いものを守っていきたい。
・生活のイメージを伝えるよりも、モノにピックアップした活動をしていきたい。
調べててびっくりしたのは、こんなに男性的なコンテンツだったのかと!総じて男性的です。情報多目で、そのモノについてよく知ること、生活に活かすことで豊かな生活を目指す感じ。
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ボスに見せたら「あんまよくわかんない」と一蹴されましたが
お客さんのところでこの話をしたら割とウケてくれたのでよかったです。
ひまがあればこういうことばっかり考えてます。オタク気質なんで…。